今回は、ここ数日X(旧Twitter)などのSNSやネットニュースで大きな注目を集めている、医療用医薬品「マンジャロ」を巡る東京都の警告と一連の炎上騒動についてまとめました。
5月28日、東京都薬務課の公式アカウントが特定のポストに対して「直ちに販売を中止して下さい」と直接リプライ(返信)の形で警告を行ったことが発端となり、ネット上で様々な議論が巻き起こっています。
5月29日には高須クリニックの高須幹弥医師がYouTubeに「X公式アカウント『東京都庁薬務課』マンジャロ無許可販売注意喚起について解説します」というタイトルの動画を投稿。
マンジャロのネット処方などへ警鐘を鳴らしています
騒動の概要から、なぜここまで問題視されているのかという背景まで、分かりやすく解説します。
1. 騒動の発端:東京都薬務課によるXでの「直接警告」
事の発端は、2026年5月28日に投稿された「東京都薬務課東京都薬務課@tocho_yakumu」公式Xアカウントによるポストでした。
@tocho_yakumuより
「東京都保健医療局健康安全部薬務課です。医薬品であるマンジャロを許可等なく販売等することは医薬品医療機器等法に違反します。直ちに販売を中止して下さい。」
一般のユーザーがXやフリマアプリ等で「マンジャロ譲ります」「いくらで売ります」といった個人間取引(無許可販売)を行っていた形跡に対し、行政が名指しで直接中止を求めるという、異例の強い対応が取られたことで話題となりました。
2. なぜ炎上?インフルエンサーやオンライン診療との誤解
この警告をきっかけに、ネット上では「あの有名インフルエンサーへの警告か?」といった誤解や憶測が飛び交い、さらに炎上が加速しました。
人気キャバ嬢や実業家への批判と誤解
直近では、人気キャバクラ嬢のゆいピスさんがアンバサダーに就任し、実業家の溝口勇児氏が出資するマンジャロのオンライン処方サービス(ダイエットビューティ)がネット番組等で大きく取り上げられていました。
そのため、「東京都が警告したのはこのサービスやインフルエンサーに対してではないか」と勘違いするXユーザーが続出。
しかし、高須クリニックの高須幹弥医師による解説動画などによると、東京都が警告しているのはあくまで「医師の介在しない個人間の無許可売買」であり、医師が診察・処方を行うオンライン診療サービスそのものに対して直接違法として警告したわけではない、と指摘されています。
3. 背景にある「マンジャロ(GLP-1/GIP受容体作動薬)」の濫用問題
今回の騒動の根底には、ここ最近の美容業界やSNSで過熱している「マンジャロ依存症」とも言える若い女性の激痩せブームがあります。
本来は「2型糖尿病」の治療薬
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、本来は2型糖尿病の治療薬として国内で承認されている医療用医薬品です。
強力な食欲抑制作用や体重減少効果があるため、美容クリニックや自由診療(オンライン診療)のマーケットで「次世代の痩せ薬」として急速に普及しました。
ガリガリに痩せている女性への過剰処方と健康被害
現在、SNS(InstagramやTikTok)でのルッキズムやマウントの取り合いから、「細ければ細いほど良い」という過剰な美意識が蔓延しています。
すでに痩せすぎ(BMI 18.5未満)の気餓状態にある女性や港区女子・キャバクラ嬢たちが、さらなる激痩せを目指してマンジャロを打ち続けるケースが急増。
高須幹弥医師はこれについて、「金儲け目的の悪徳なオンライン診療や、医療倫理の欠如した経営者が、不健康な状態の女性にまで安易に処方していることが大きな問題」と警鐘を鳴らしています。
過剰な使用は肌のハリを失わせ、老化を早めるだけでなく、メンタル疾患や不妊症などの重大な健康被害を招くリスクがあります。
4. 医療広告ガイドラインや法律上のグレーゾーン
さらに、インフルエンサーや実業家がSNS上で「俺もこれで痩せた」「みんなやるべき」と過度に医薬品を宣伝する行為は、厚生労働省の定める「医薬品等適正広告基準」や医療広告ガイドラインに抵触する可能性が指摘されています。
いわゆるステマ(ステルスマーケティング)的な誇大広告や体験談の拡散が、本来の「薬不足(本当に必要とする糖尿病患者に薬が届かない問題)」を助長しているという道徳的・社会的な批判も集まっています。
まとめ:安易な個人売買は絶対にNG!薬の重みを理解すべき
今回の東京都薬務課による警告は、ネット上で横行する「医薬品の転売・個人間取引」が明確な薬機法違反(違法行為)であることを改めて知らしめるものとなりました。
たとえ「1回だけ余ったから譲る」という軽い気持ちであっても、処方箋医薬品の無許可販売は犯罪です。
また、美容目的でのダイエット利用に関しても、安易に薬に頼るのではなく、健康を害するリスクを正しく理解する必要があります。
今後の行政の取り締まりや、オンライン診療に対する規制の動きにも引き続き注目が集まりそうです。

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