話題のドラマ『田鎖(たくさり)ブラザーズ』第1話の事件考察と、作中で登場した専門用語の解説をお届けします。
怒涛の展開と謎が散りばめられた第1話。さっそく細かく深掘りしていきましょう!
兄は刑事、弟は検視官。31年前の未解決事件の闇
このドラマは、兄が刑事、弟の稔が検視官としてタッグを組むバディものです。
彼らには、31年前の1995年に両親を何者かに殺害されたという壮絶な過去があります。その際、弟の稔も犯人によって左腕に傷を負わされました。
現在、殺人事件の時効は撤廃されていますが、この事件はなんと「法律が成立する2日前に時効が成立してしまっている」という非常に残酷な設定です。
犯人が見つかったとしても裁けない……この重い十字架を兄弟がどう乗り越えていくのかが最大の見どころですね。
現代の「ひき逃げ事件」が過去への糸口に?
第1話では、田鎖ブラザーズが「野上が起こしたひき逃げ事件」を追っていました。
最初は1話完結の小さな事件かと思いきや、どうやら次回以降にも引き継がれるようです。
おそらく、この現代のひき逃げ事件が、31年前の事件と通じる「何か」を浮上させる鍵になるのではないでしょうか。
仮に、31年前の真犯人が見つかったとしても「私がやりました。
でも時効だから手出しできないでしょ?」と煽られて終わるような結末は、視聴者としても絶対に嫌ですよね(笑)。
最終回で、どうすることもできない兄弟が「もっちゃん」の中華屋で、涙ながらにお酢をかけた焼きそばをすすって終わる…なんてやるせない展開は避けてほしいところです。
だからこそ、「31年前の容疑者が現代の事件にも絡んでいて、現代の罪で逮捕される」というオチがつくことで、兄弟の溜飲も下がり、見ている我々もスカッとする結末になるのではと予想しています。
1995年と2026年、両方に登場する4人の重要人物
今回の事件、過去と現在の両方に登場しているのは以下の4人です。
- 津田雄二(ノンフィクション作家 / 演:飯尾和樹)
- 辛島貞夫(工場長 / 演:長江英和)
- 辛島ふみ(山岳写真家 / 演:仙道敦子)
- 茂木幸輝(町中華「もっちゃん」店主 / 演:山中崇)
セオリー通りに考えれば、第1話から登場している人物の中に真犯人がいる可能性が高いです。
ただ、工場長の辛島夫婦は1話には直接登場していないようだったので、彼らが直接手を下した真犯人ではない可能性もあります。
しかし、実行犯に指示を与えていた、あるいは共犯として動いていたなど、犯行そのものに何らかの形で関わっている可能性は拭いきれません。
怪しい人物①:ノンフィクション作家の津田と、黒い交際
兄弟が現在最も怪しんでいるのが津田です。
彼は亡くなる直前の父親(田鎖朔太郎)に対し、しつこく何かを聞き出そうとしていました。
津田の「田鎖さんも港まで運んでたじゃないですか〜」という発言から推測すると、父親の朔太郎は違法な物を運ぶ「運び屋(闇バイト)」をやらされていたのではないでしょうか。
では、誰が朔太郎に命令していたのか?ここで怪しくなるのが工場長の辛島貞夫です。
31年前に妻のふみが山岳事故でリハビリ生活になり、自分たちでブツを運べなくなったため、朔太郎に命令を下していたのかもしれません。
津田はその黒い組織を嗅ぎ回っていたため、現在は失踪中(あるいはすでに組織に始末されているか、身を隠している)という状況が考えられます。
怪しい人物②:中華屋「もっちゃん」の店主・茂木
母親の田鎖由香は、町中華「もっちゃん」でパートとして働きながら料理を教わっていました。
もし、料理を教わるうちに2人が不倫関係になっていたとしたら…? それが朔太郎にバレて揉み合いになり、勢いで妻の由香も殺害してしまったという「突発的な犯行」の線も考えられます。
田鎖ブラザーズに対して茂木が優しく接しているのは、過去の罪悪感の裏返しかもしれません。
ただ、一つ気になる描写がありました。
茂木がお客さんに「350円のお釣りです」と言って渡し、「200円多いよ」と返されるシーンです。
これは単なる日常の描写ではなく、「老化によって判断能力(単純な計算など)が落ちてきている」ことの暗示に思えます。
のちに兄弟が真犯人に近づき、茂木が重大な証言をしようとしても、認知機能の低下によってうまく証言できない…という展開への伏線ではないでしょうか。
情報屋の幼馴染・足利晴子は何を知っている?
質屋の店主であり、兄弟の幼馴染でもある足利晴子。
彼女は元新聞記者の人脈を生かし、独自の裏ルートで情報を仕入れて兄弟をサポートしています。
なぜ彼女は新聞記者を辞めて質屋になったのか?おそらく、31年前の事件の真相を独自に探っているからこそ、表舞台から身を引いたのだと思われます。
なぜ真相を探る必要があるのか?それは31年前、兄がベランダから犯人の逃走を目撃した際、犯人が逃げる途中で「通行の邪魔になった女性」を斬りつけていたシーンにヒントがあります。
おそらくその女性が、晴子の家族(姉、母、妹など)だったのではないでしょうか。つまり、彼女自身も被害者遺族として事件を追っている可能性が高いです。
あるいは少し飛躍した考察になりますが、晴子自身が真犯人で、犯行後に逃走したという可能性。
もしくは、別の犯人が現場に向かった時にはすでに両親は亡くなっていたという線。
さらには、あの時斬りつけられた女性こそが晴子本人であり、自分を傷つけた犯人をずっと追い続けている…といった展開も考えられそうです。
【法律解説】野上のひき逃げ事件、本当の罪は?
ここで、第1話で発生した「野上のひき逃げ事件」について、法的な視点から少し解説します。
もしこれが「たまたまぶつかってしまった事故」であれば、「過失運転致死傷」となり執行猶予がつく可能性もあります。しかし、もし「意図的にぶつかりに行っていた」とすれば話は全く変わります。
漫画『九条の大罪』などでも描かれていますが、ひき逃げ犯の中には「スマホという証拠の宝庫を隠滅して逃げる」者や、「生かして証言されるより、死んでくれた方が自分に有利に働く」という恐ろしい思考を持つ者もいます。
もし車を凶器としてわざとひいた場合、問われるのは以下の重罪です。
- 殺意があった場合:殺人罪(刑法第199条) 「はねれば死ぬかもしれないが構わない(未必の故意)」でも適用されます。法定刑は死刑または無期、もしくは5年以上の懲役と非常に重いです。
- ケガをさせる目的だった場合:傷害致死罪(刑法第205条) 「痛めつけてやろう」と思ってひき、結果的に死亡させた場合です。(法定刑:3年以上の有期懲役)
もし野上が「わざと」ひいていた場合、危険運転致死傷罪(最長20年)ではなく、殺人罪などのより重い罪に問われることになります。
【医療解説】弟・稔の検視シーンをわかりやすく図解!
最後に、弟の稔が遺体を検視していたシーン。
専門用語が多くて難しかったですよね。高校生でもわかるように噛み砕いて解説します!(※YouTube動画版の図解イラストと合わせてご覧いただくとより分かりやすいです!)
① 最初は「ただの病死」だと思った
稔:「左胸水なし、右胸水なし、肺水腫はあり」「心原性肺水腫か。心肥大もあったし心不全が原因で…」
最初は、遺体の心臓(ポンプ)が大きくなっていたため、「心不全」が原因で肺(スポンジ)が水浸しになって亡くなった、つまり病死だと思いました。
② でも、ある「矛盾」に気づく
稔:「それにしても胸水を認めないのはおかしくないですか」
しかし、ここで違和感を覚えます。「心臓が原因で肺が水浸しになるなら、普通は肺の入っている袋(胸水)にも水が溜まるはず。それがないのはおかしいぞ?」と気づいたんです。
③ 矛盾から「本当の死因(事件性)」を見抜く!
稔:「だったら神経原生肺水腫の可能性もあるな」「肺水腫の原因は頭部の外傷でした」
心臓が原因じゃないなら何だ?と考えた結果、「頭を強く殴られたショックで、脳の神経(コンピューター)がバグって一気に肺が水浸しになった(神経原生)」という結論に辿り着きました。
つまり、病死ではなく他殺(事件)だと判明した超重要シーンです!
④ 「修復工事のおじさん」で犯行時刻を割り出す
稔:「線維芽細胞の浸潤は認められなかったのでまだ48時間は経っていません」
最後に、いつ殴られたのかを推理します。傷を治す「修復工事の細胞(線維芽細胞)」は、ケガをしてから約48時間で現場に集まってきます。
しかし、遺体の傷にはまだこの細胞がいませんでした。 つまり、「殴られてから48時間以内に亡くなった」という、犯行時刻を絞り込む決定的な証拠を見つけたわけです。
キャスト・主要人物・スタッフ・主題歌
田鎖真(たぐさり まこと) 演 – 岡田将生(幼少期:野田悠月)
田鎖稔(たぐさり みのる) 演 – 染谷将太(幼少期:金子拓真)
周辺人物
宮藤詩織(くどう しおり) 演 – 中条あやみ
石坂直樹(いしざか なおき) 演 – 宮近海斗
田鎖朔太郎(たぐさり さくたろう) 演 – 和田正人
津田雄二(つだ ゆうじ) 演 – 飯尾和樹(ずん)
辛島貞夫(からしま さだお) 演 – 長江英和
竹内恵美(たけうち めぐみ) 演 – 赤間麻里子
桐谷千佳(きりたに ちか) 演 – 内田慈
神楽健介(かぐら けんすけ) 演 – JP
茂木幸輝(もぎ ゆきてる) 演 – 山中崇
辛島ふみ(からしま ふみ) 演 – 仙道敦子
足利晴子(あしかが はるこ) 演 – 井川遥
小池俊太(こいけ しゅんた) 演 – 岸谷五朗
日向伸也(ひゅうが しんや) 演 – 池下重大
茂木カル(もぎ かる) 演 – 三谷侑未
田鎖由香(たぐさり ゆか) 演 – 上田遥
スタッフ
脚本 - 渡辺啓
演出 - 山本剛義、坂上卓哉、川口結
音楽 - 富貴晴美
主題歌 - 森山直太朗「愛々」(ユニバーサル ミュージック)
撮影監督 - 宗賢次郎
撮影 - 加藤春日
警察監修 - 鳴海達之
法医学監修 - 鵜沼香奈
プロデュース - 新井順子
編成 - 高柳健人、吉藤芽衣
製作 - TBSスパークル、TBSテレビ




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